うみんちゅの使う簡単なジェスチャーです。
以前、先輩の船で仕事から帰ってきて、港でかたづけしていた時、別のサバニが港に入ってきました。そのサバニにはおじいが乗っていたんですが、先輩とおじいが手話みたいにして手で合図を送りながら、うなづいたり笑ったりしてるので、「なにやってるの?」と聞くと、「大漁か?と聞いたら、全然獲れないよ。(魚が)いないから、あっちこっち行って見たけど、タコ5つとチヌマン2つだけしか獲れなくて、時化てきたから帰って来たと。」と言うのです。
昔は無線も無いし、エンジンの音もうるさいし、潜り漁師は耳をやられることが多かったので、声が聞こえにくい時や、離れた船同士で会話するときは、このハンドシグナルを使って会話していたそうです。
結構複雑な会話(奥さんがどうのこうのとか、そんな話も出来るみたい)も出来たそうですが、今はあんまり使いません。
「大漁か?」というサインだけは今もしょっちゅう使ってます。これは今ではうみんちゅ同士の挨拶になってます。
たくさんは知らないので、簡単なやつだけ紹介してみます。
「大漁」、もしくは「大漁か?」。うみんちゅの挨拶です。/手のひらを上に向けて、物を持つようにします。
「潜り」、「潜る」、あるいは「仕事する」。/下を指差して手を下に動かします。
「時化」、あるいは「時化て来た」。/持ち上がった波頭のような格好にして左右に動かします。
「ストップ」あるいは「OK」。/はじめじゃんけんのパーにしていたのをグーにします。
「ウリヤー」あるいは「電灯潜り」。/イーグン(銛)を握った格好をして、前に押し出す動作をします。
「タコ」。/じゃんけんのチョキの指先を曲げます。
「クブシミ」。/手のひらを下に向けてダラッとさせます。
「チヌマン」。/おでこにツノが生えてる格好をします。